神戸市東灘区、岡本、摂津本山にある心療内科、精神科の佐々木医院

統合失調症について

お知らせ
当院では薬物療法を中心に統合失調症の治療を行っております。
また、必要と判断される場合は、
往診訪問診療訪問看護などを行っておりますので
お一人で悩まれずに、お気軽にご相談ください。

・毎日内服したくない
・家族も内服の確認で本人と言い合いしたくない
・どうしても薬の飲み忘れがあり調子に波があるから注射にしたい

などでお困りでしたら、当院では、2週間に1度や1ヶ月に1度の注射剤をご利用できます。


統合失調症(とうごうしっちょうしょう)

10代後半から30代前半に発症することが多く、
身の回りの環境や遺伝など色々な原因が考えられていますが、いまだにわかっていません。

幻覚(げんかく)妄想(もうそう)興奮(こうふん)などといった
陽性症状(ようせいしょうじょう)と、

意欲(いよく)の低下感情鈍麻(かんじょうどんま)無為自閉(むいじへい)といった
陰性症状(いんせいしょうじょう)に分けられて説明されます。

急性に上記症状を繰り返しながら、慢性に経過していく傾向があります。

陽性症状(ようせいしょうじょう)

幻覚(げんかく)

幻視(げんし)、幻聴(げんちょう)、幻触(げんしょく)など様々ですが、幻聴が多い。

幻聴は「現実にはきこえていない音や言葉がきこえること」です。

騒音のような単純な音(要素性幻聴)や、歌や曲が聴こえる(音楽性幻聴)などは健常者でもおこります。
重要なものは言語性の幻聴で、自分に話しかけてくるものや、自分について複数の人間が話し合っているものです。
指図、批判、命令、嘲笑、脅迫するような形式が多くて、とても不快な気分にさせられます。
たまにほめられたり、笑わせられたりする形式もありますが、ずっと続くとご本人にとっては大変しんどいものになります。

ただし、幻聴が始まった時は「ザザザ」といったノイズのような音が多いようです。
言葉でないからといって安心せず、他に不眠、不快、不安、恐怖など他にも困った症状があればご相談ください。

妄想(もうそう)

「ありえないことの思い込み」であり、証拠(しょうこ)を示されたとしても訂正できない考え。

自分の周囲がなんとなく不気味(ぶきみ)でこわく感じられる妄想気分(もうそうきぶん)という状態から、

「家の前の車は私を監視(かんし)している」といった、周囲のことを間違って判断するようになる妄想知覚(もうそうちかく)にかわっていきます。

最終的に、妄想着想(もうそうちゃくそう)と呼ばれる、突然まちがった思い込みが頭の中に浮かぶようになり「家の中に監視カメラがつけられている。盗聴(とうちょう)されている。」などと考えるようになります。


被害妄想(ひがいもうそう)
 他者から攻撃、軽蔑(けいべつ)、悪意を受けているという妄想。
 「周りが自分の悪口を言っている。」
 「インターネットで自分の悪口を流されている。」


注察妄想(ちゅうさつもうそう)
 「周囲から監視(かんし)されている。」


被毒妄想(ひどくもうそう)
 「この食べ物には毒(どく)が入れられている。」


関係妄想(かんけいもうそう)
 すべてのことが自分と関係のあるものと考えます。
 被害妄想と区別することは難しく、被害関係妄想と呼ばれることも多いです。
 「前の人が咳をしたのは自分のことが嫌だから。」
 「ニュースで自分のことについて言われている。」


誇大妄想(こだいもうそう)
 自分は特別に高貴(こうき)で、偉大(いだい)な存在だと考えます。
 「実は私は天皇の子である。」「すごい発明をしたから狙われている」


心気妄想(しんきもうそう)
 自分は病気であると思い込みます。
 「胸が痛いのは肺がんにかかっているからだ。」


恋愛妄想(れんあいもうそう)
 自分はある人から愛されていると根拠なく考えます。
 「芸能人と婚約した。」

自我障害(じがしょうがい)

「自分が行っている」という感覚がなくなることです。

他人にあやつられている他人から影響を受けると感じる作為(さくい)体験
考えがぬき取られる、入れられる、皆に自分の考えが知られてしまうと考えるようになります。

陰性症状(いんせいしょうじょう)


感情鈍麻(かんじょうどんま)

喜怒哀楽(きどあいらく)の感情がなくなり、笑わなかったり、悲しまなかったりします。

無為自閉(むいじへい)

何もしなくなっていき(無為)
他人との交流をさけて家もしくは自分の部屋に閉じこもります。(自閉)

思考障害(しこうしょうがい)

話の内容がどんどんそれていく、突然別の話題になる、などがあり、
重症化すると、会話として成立しない滅裂思考(めつれつしこう)となります。
また、突然話が終了する思考途絶(しこうとぜつ)という症状もあります。


他には
身体の症状
不眠はほぼ必発です。
発症や再発の前に3日程全く眠れない日があり、その後陽性症状が出現してきやすいです。
他には自律神経(じりつしんけい)症状として動悸(どうき)、発汗、頭重感、息苦しさ、便秘、下痢(げり)などを生じます。


元気がない、表情の豊かさがなくなった、一人で誰かと話している独語(どくご)、一人で笑っている空笑(くうしょう)などで家族や周囲の方々が気づかれることがあります。

症状の経過としては陽性症状(幻聴、妄想、興奮など)の始まりが発症と思われがちですが、
その前に陰性症状(集中力や注意力の低下、不安、緊張、元気のなさなど)がすでに存在している場合が多いです。

病気の型(緊張型・妄想型・解体型)


緊張型(きんちょうがた)

興奮(明らかに無目的な活動)と昏迷(こんめい)(周囲への反応がほとんどないこと)を繰り返し、カタレプシー(奇妙な姿勢をとって維持する)や拒絶症(理由のない抵抗をしたり、逆の動きをする)が特徴

妄想型(もうそうがた)

幻聴よりも被害関係妄想が主体で、悪口主体の幻聴以外に、
身体異常感覚が多く幻臭(げんしゅう)(気分の悪くなるにおいがある)、幻味(げんみ)(変な味がする、どくを入れられている)、幻触(げんしょく)(さわられている)などがあります。

解体型(かいたいがた)

若年発症(15~25歳)で、陰性症状が早くから強くみられる。
妄想や幻覚は一時的で、行動や感情の変化が著しい。気まぐれな行動やわざとらしい行動、くすくす笑い、同じ言葉の繰り返しなど行動は目的を欠いて独特である。

治療と経過

経過は、良くなったり悪くなったりを繰り返すことが多いため
焦らないことが重要です。
良くなると薬を自己判断でやめてしまうことがありますが、半年以内に50%以上の方が再発すると言われているため注意が必要です。
薬には予防効果や脳の保護効果があると考えられています。

錠剤

錠剤
最近は副作用が少ない薬がたくさん出てきています。
できるだけ1日1回の内服で忘れないように
わずらわしくないようにしたいところです。


ザイディス錠 
口に入れるとすぐにとけます。
ジプレキサ(オランザピン)など

液体薬イメージ

液剤(*写真はイメージです)    
水なしで飲めます。
リスパダール(リスペリドン)
エビリファイ(アリピプラゾール)など
効果が出るのが錠剤に比べて早く、副作用も少ないと考えられています。


持効注射剤  
2週間か4週間に一度打つだけで、効果が維持する注射です。

薬を毎日飲みたくない
薬を飲む時間を気にしたくない
家族から薬の確認をされたくない
薬を飲むところを他人に見られたくない

以上のような悩みのある方はご相談ください。

注射

リスパダールコンスタ
エビリファイ
ゼプリオン
などがありますので、いつでもお気軽にご相談ください。


また、最近になって、発症から治療開始までの期間がとても重要で、5年までに適切な治療が受けられると、脳構造の変化や認知機能の低下が進んでいくのを予防し、長期間にわたって社会機能を改善させることができると期待されていますので、一人で悩まずに早めにご相談ください。

陽性症状が改善しても陰性症状が残ってしまい、友人との交流や社会とのつながりがなかなか難しい状態になる場合はデイケアを利用することがあります。また、一般の働き方ができない場合は作業所や就労施設を利用することもあります。

ご家族の方々へ

初めは非常に驚かれ、多くの方が「〜が悪かったのかもしれない」と理由を探したり、「育て方がよくなかったのかも」と過去の様々なことに対して後悔されます。
しかし、育て方が悪かったから発症したわけではありません。
過去のことをくやむよりも、前向きにこれからのことを一緒に考え、焦らず長期戦でやっていく心構えが大切になります。
通院や服薬に抵抗や拒否をされたりすることもあるかと思いますが、粘り強く
サポートしていくことが重要です。
理屈ではなくて、心配している、安心して欲しいというメッセージが最も効果を発揮します。
治療は、家でなんとかやれそうという場合は外来治療になります。興奮が激しかったり、家で見守れない場合などは入院治療に切り替わることもあります。

必要と判断される場合は、
往診・訪問診療・訪問看護などを行っておりますので
お一人で悩まれずに、お気軽にご相談ください。

また、当院では自立支援の制度を利用していただけます。
治療は長期間行うことが多いため、制度のご利用についてもお気軽にお尋ねください。

◯神戸市の自立支援制度については
http://www.city.kobe.lg.jp/life/health/kokoro/yakudatiseido/tsuiniryo.html
を参照してください。


お一人で悩まれずにお気軽にご相談ください。
電話番号:0784535700
(電話による診察はしておりません。)

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