成人期ADHDとは
成人期ADHD (注意欠如・多動性障害)
この疾患では小さい頃から不注意や多動(たどう)、衝動性(しょうどうせい)といった症状があったが、ご自身が悩んでいなかったり、周囲から指摘されなかったため、自分では気づかないまま成人していることがあります。
上記症状のうち、多動や衝動性は大人になるにつれて目立たなくなりますが、
不注意は成人になってからも持続することがあり、日常生活や社会生活においてご本人の苦痛が大きいことが特徴です。
社会で働きはじめると、「ミスをたくさんする」、「約束を忘れる」、「集中できない」などが原因で注意されることが続いて、周囲から信頼を得にくいために自信をなくし、「自分の性格が悪いのでは」「自分のなまけでは」と悩まれて、生きにくさを感じるようになります。
その結果、うつ状態や不安障害になったり、
お酒でストレスを解消してアルコール依存症になることもあります。
しかし、それはADHDが元々あったから、かもしれないのです。
ADHDの症状(不注意・多動性・衝動性)について
不注意
全体像を確認せずにすぐに動き、細部を見逃すささいなミスを起こし、
注意を集中し続けることができず、すぐに気が散る。
作業の指示に従えず途中で投げ出したり、時間通りに終わらせられない。
整理ができず、身の回りをひどく散らかし、ものをよくなくす。
◯周囲からは「うわの空のよう」「注意を要する作業を避けているよう」に見えます。
多動性(たどうせい)
じっとしていられない、しゃべりすぎる。
手足をそわそわ動かし、イスの上でもじもじする(トントンたたいたり、打ちならしたりする)
座っているべき場面で目立つほど何度も席を立つ、部屋を出る。
状況に不適切なそうぞうしさ(ガチャガチャと大きな音をたてる)がある。
◯周囲からは、落ち着かない人、目の動きや身体の動きが多いように見えます。
衝動性(しょうどうせい)
順番を待つことが困難で、列に並ぶことを不適切なほどさける。
人の言いかけたことを代わりに完結させてしまったり、会話において許可なく話し始めたり、あるいは会話で次の番を待てない
(アスペルガー症候群の場合は、会話の文脈が読めないまま、自分がこだわっている、状況に無関係な話題をいきなり話しはじめる)
成人期ADHDのチェックリスト(ASRS-v1.1)
(ASRS-v1.1)
灰色の回答欄に4つ以上チェックがつくと成人期ADHDである可能性が高くなります。
一人で悩まれずに、ご相談ください。
診断
問診では幼いころからの情報が非常に大切です。ご家族から幼いころの話を聞いたり、学校の成績表を持ってきていただくと診断の助けになります。
不注意、多動性、衝動性がどのように存在して、生活のしにくさがどのようなものなのかを詳しく問診します。
その後、必要でしたら心理検査を受けていただけます。
ご本人の失敗談や、心理検査から得られた特徴などを重ね合わせて、これからどのように対処していけばよいのかを一緒に考えていきます。
最終的に、ご本人なりの、より良い生活を送っていただけるようサポートしていきます。
薬物療法
ストラテラカプセル(アトモキセチン)
インチュニブ(グアンファシン)
コンサータ(メチルフェニデート)
コンサータ錠に関しましては、ADHD適正流通管理システムに登録されてから処方が可能となります。初診時に処方できない場合もありますのでご了承ください。
ビバンセ(リスデキサンフェタミンメシル酸塩)は処方ができませんので処方可能な病院、診療所を受診ください。
お一人で悩まれずにお気軽にご相談ください。
電話番号:0784535700
(電話による診察はしておりません。)